探究学習と幸福学

先日、LFYが所属するCFAグループのスタッフ合宿がありました!

CFAでは「こどもたちが、今も将来も幸福であること」を目指しています。

そこで合宿のプログラムのひとつとして幸福学の研修がありました。

主催は、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野マドカ先生です。

詳しくは後述しますが、探究学習と通ずるところがあると感じたので、今日は幸福学と探究学習について、お話します。

幸福も不幸も伝染する

幸福は伝染します。

ハーバード医科大学のNichlas Christakis 氏とカリフォルニア州立大学サンディエゴ校のJames Fowler 氏の研究で、5000人近い人たちを1983年から2003年までの20年間追跡しました。

幸せな人を黄色、幸せでない人を青、その中間の人を緑で表し、1996年と2000年のものがこちらの画像です。

Dynamic spread of happiness in a large social network: longitudinal analysis over 20 years in the Framingham Heart Study,BMJ 2008;337:a2338より引用

幸せな人は幸せな人同士でつながっている傾向があります。

また、時間の経過による変化を追跡すると、黄色に囲まれている人たちが少しずつ青から黄色に変わっていくのが見て取れます。

家族や学校の先生、関わる大人が幸せであるほど、子どもも幸せでいられるということです。

幸せの4因子とは?

幸せな人は『創造性が高い』『生産性が高い』『リーダーシップを発揮する』『健康長寿』であることなどが、科学的分析によって明らかになってきています。

先端教育オンラインより引用

では、「幸せな人」とはどういう状態でしょうか。

人それぞれ定義は異なり、幸せに影響する因子はたくさんあるはずです。

なかでも、今回は大きく4つの因子に分けて、解説していただきました。

①「やってみよう」因子

主体性に関わる因子です。

夢や目標に向かって、主体的に努力を続けられる人は、何も行動を起こさない人よりも幸せになります。


②「ありがとう」因子

つながりに関わる因子です。多様なつながりや、利他性が強い人ほど幸せを味わえることがわかっています。

コミュニティの中に合わない人が居ても、それだけで辛くなるというのではなく、培ってきた多様なつながりを参考に、うまい付き合い方ができるためです。


③「なんとかなる」因子

前向きと楽観の因子です。

必要以上に挑戦や失敗を恐れることなく、自身を持って行動できる状態です。


④「ありのままに」因子

独立と自分らしさの因子です。

自分の好きなことや得意なこと、ワクワクすることを突き詰めていくことで、本当の自分らしさを探して、磨くことです。


LFYでも、探究学習を通じて、自ら未来を切り開く力(主体性、自己選択ができる力)を上げていこう、ということに取り組んでいます。

やってみよう、なんとかなるの2因子と通じるものがあるのでは、と感じました。

「ありがとう」因子を高める方法

どの因子も、気をつけることで高めることが可能です。

今回は、親子で実践しやすい「ありがとう」因子を高める方法をご紹介します。

実践① ありがとうカードを渡す

日頃の感謝や、相手のいいところ、好きなところをカードに書いて渡します。

紙に書いて、声に出して読んで渡す事によって、スマホ等から入力して送るよりも、受け取る側も渡す側も幸福度が上がることが証明されています。

また、カードに残しておくことで、受け取った本人が必要なタイミングでいつでも見返すことができるため、例えば思春期などで家族と辛い気持ちをシェアしにくい場合でも、家族からの愛を実感することができます。

実践② 毎晩寝る前に3つの感謝をノートに書く

これも紙に手書きすることに意味があります。

また、毎晩3つと決めることで、些細なことにも感謝する癖がついていきます。

自分が頑張ったことを承認してあげることにも活用することで、幸福度を上げることができると言われています。

余談ですが、スポーツ選手が、本番前に感謝の気持で心を満たすことで緊張をほぐすということも知られています。

スピーチ等でも、冒頭で「お越しいただきありがとうございます」「受賞できたのは皆様のおかげです」と感謝を述べることで、意識が緊張から感謝に向かい、自身を持って話を進めることができると言われています。

本記事の冒頭でもお話したとおり、幸福のかたちは人それぞれです。

ひとりひとりと向き合い、自身を持って好きなことに思いっきり取り組めるよう、支援していけたらと考えています。