探究学習ってなんだろう?vol.2
以前、「探究学習ってなんだろう?」というテーマでお話しましたが、今回はもう少し深めてみます。
これまでの勉強と比べて
どんな勉強方法にも色んな側面が有りますが、今回は分かりやすさを優先して、ざっくり「これまでの勉強」「これからの探究」というかたちで違いを比較してみます。
これまでの勉強では、大人(国・教師・親等)が大事だと思うことを、決められた方法で教わります。
このときポイントになるのは、学習者にとって面白いか、わかりやすいか、によって、成果が異なるということです。教える側は、面白くわかりやすくなるよう、教材を工夫します。
一方これからの探究学習では、学習者自身がワクワク・モヤモヤしたことを、試行錯誤や探索をしながら学んでいきます。
このとき、必ずしも教える側は、学習者の探究テーマに詳しかったり、答えを知っていたりするとは限りません。教える側は、探求しやすい環境をつくり、問いかけ、寄り添い、一緒に考えます。
なぜ今、探究学習なのか?
いま、注目されている探求学習ですが、なぜ今、必要と言われているのでしょうか。
これまで(19~20世紀頃)は、社会の問題・解決方法がある程度共通でハッキリしているため、求められたとおりに効率的に問題を解決できる必要がありました。
そのため、大量の知識を大人から浴びるように学び、習得すること求められていました。
一方これから(21世紀)は、社会の問題・解決方法がともに複雑化・多様化しており、自ら目的・課題を発見して価値をつくりだす必要があります。
そのため、自身の内的動機をもとに主体的に探して学ぶことが求められています。
高校生の探究学習
でも、どうやってこれからの探求学習を始めればよいのでしょうか。
2022年春から、高校で「総合的な探究の時間」が始まりますが、文部科学省の学習指導要領では、下の図のように示されています。
探究学習は、「日常生活や社会に目を向け、生徒が自ら課題を設定する」ことから始まります。
小学生の探究はもっと柔軟に
しかし、必ずしも形式にとらわれる必要はないと考えます。
「日常生活や社会に目を向け、生徒が自ら課題を設定する」は高校生の目標です。
自ら課題を設定するためには、さまざまな背景知識が必要です。
もちろんそれができる小学生もいますが、多くの小学生にとってはまだまだ難しいことです。
小学生の探究は、もっと柔軟に考えても良いと思います。
例えば、「虫が大好きだからもっと詳しくなりたい」「なんで飛行機は落ちてこないんだろう」といった、ふとしたワクワク・モヤモヤから自然に始まる探究もあります。
「九九は好きじゃなかったけど図形は面白い」「漢字は苦手だったけど音読は好き」といった、与えられたものから選択したり、好きなものを探すことから始まる探究もあってもよいのです。
かたちにこだわりすぎず、気になったことを、探究したいだけできる環境、まずはそんな場所を作ることが大事です。